31の123「トレーナー現場」
Harista31のトレーナー活動にて重要なのは選手をピッチに送りだせるのかどうか?
というところ。
また、どの程度のコンディションの仕上がりなのかどのくらい動けるのかを明確に伝えられる事を考えて日々携わります。
選手である以上はある程度怪我を持っていても、試合に挑むモチベーションでなんとかなってしまうケースも多々あります。
でも、その個々のモチベーションにこちらが左右されてしまうとまったく管理がつかなくなり、その試合がよくてもその後離脱させてしまったり、その試合で重大な怪我に繋がったりもします。
我々の仕事は選手、チームの未来に大きく関わります。
だから責任は大きいのです。
だからこそ、そこをチャレンジするこちらのギリギリまでのアイディアや機転も大切にしています。
※ここでのチャレンジは、一般的なら怪我をしているんだから治すために休みなさいと言われる状況をいかにして休ませずに試合に出れるフィジカルコンディションまで持っていくかのアイディアです。
ただし、選手の未来が奪われる事を含むため大胆かつ引き際も頭に入れて施術に挑みます。
写真の選手について言えばふくらはぎの痛みを訴えてから先週1週間、練習を休ませました。
試合前の練習に出ないというのはそれだけでも試合に出れない可能性が高くなります。
出れたのは前々日の練習のみ。それでもやはりコンディションは本人も厳しく、当日朝もストレステストだけでも痛みを感じている状況。
ここまでくると普通ならばもう諦めさせようか、それを監督にも伝えようかもうまさに決断が急がれる瞬間でした。
チーム戦術・オーダーに関わるため非常に重要な瞬間です。
私はこの日、鍼通電パルスとテーピングによるコンディショニングを選択。
番手を高くしバーストをかけ、ギリギリまで痛みを鎮痛させた上でテーピングによる圧迫をかけて痛みの感覚をコントロールすることを選択しました。
今回の鍼刺激は結構痛かった事と思います。
痛みを鎮痛させる事と選手本人に、後半には疲労がいつもより増すことが見込まれる事は伝えた上で、どの程度のパフォーマンスの仕上がりなのかを共有し、モチベーションも整えて行います。
うまく鎮痛出来たとて治したとは言える状況ではないので選手との予測と状況を共有しておく事は大切です。
もちろん、監督・コーチとも常に相談です。
当然ながら私の仕上げによっては「これじゃ使えない」と監督に叱責される事もあります。
だからこそこちらも試合をつくるためのギリギリのチャレンジと冷静な判断とを常に頭におき挑みます。
結果、今回の選手は試合にはフルで出場する事が出来ました。
※試合自体は残念ながら敗戦。
しかし、選手をピッチに送り出す事への成功とチーム戦力を揃えられた事は小さいながら良かった事かなとは思います。
でも、チームは勝利していないので成功と呼ぶには相応しくないのでこれは切り替えです。
喜んでいい部分には満たないので次節までにまた彼をさらに良いコンディションに持っていく計画をすぐに始動させなければなりません。
チームはシーズン前に選手(戦力)をセレクトしています。
もし、誰かが欠場した時に他の選手での穴埋め的補充やカバーはできます。しかし、実のところは代えが効くとは言えません。
それは、選手一人一人の特長と期待されている役割がそれぞれ違うからです。
欠けて良い選手なんてのは一人すらいないのです。
それを胸の深くに修めて冷静な目と情熱で責任を持って戦うのがトレーナーのフィールドです。
全ての選手に平等なチャンスがあるわけでもないし、頑張っているやつが必ずしも勝利と出場権利を獲得できる世界でもありません。
実力と信頼が絶対な現場です。
私には彼ら選手がチームに信頼されるコンディションでピッチに送り出す使命があります。
だからこそ責任ある役割があり、こちらも選んで頂いているのだと自覚しています。
私が鍼灸を用いたトレーナーを目指したのには石川トレーナーというモデルがいました。
もう話す事が出来ない遠い世界にいるのですが石川トレーナーの厳しさと優しさで私達が一生忘れる事が出来ないほどの経験を頂いた事が今日の自分たちを作り上げています。
あの頃と同じ、黄色と青を基調としたチームで。
私も同じように自分の役割で勝利を手繰り寄せ、選手の未来を紡ぐ事を頑張らせて頂きます。
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